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戦をせんとや生まれけむ

鎌倉源平大河ロマン!13人衆一の洞察力に優れた武士梶原景時が見つめた、峻烈の人頼朝×戦の申し子義経乱世の光と影、そして生と死。
なぜ兄は弟を拒絶したのか? 武者たちの世が拓かれた時―天は晴れ、潮の匂いが濃かった。
しかし濃密な潮風をもってしても拭い消せぬ異臭が、浜に置かれた黒漆の櫃からは溢れ漂っていた。
義経の首級は美酒に浸され、櫃に封じこめられているのだった。
(ぶざまではないか。
みじめではないか)景時の胸にこみあげるものは、不思議な怒りであった。
(あれほどの天賦の才を……)景時は、くやしかった。
なぜ、九郎義経は、死ななければならなかったのか。
[本文より]これまで義経を讒言した悪役とされてきた景時に光を当て、頼朝と義経の新たな姿を描く歴史小説、ここに誕生。




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