ユ・ウォン
『アーモンド』を生んだ「チャンビ青少年文学賞」受賞作品!――私を苦しめたのは、善意。
マンション火災事故の「奇跡の生存者」ユ・ウォン。
ユ・ウォンの姉は、幼い妹を布団で巻いて11階から投げ落とした後、帰らぬ人となった。
地上で彼女を受け止めたおじさんは、足に重い障害を負った。
ユ・ウォンは奇跡の象徴として、おじさんは英雄として、一躍、時の人となった。
あれから12年。
いまだに世間は「あの事件の子」という眼差しで彼女を見る。
姉は神格化され、「英雄」のおじさんは家をたびたび訪ねてきてはお金を無心していく。
そんななか、ユ・ウォンは同じ高校に通うスヒョンと知り合う。
自分とは正反対のスヒョンに影響され、初めて他人に心を開いていくが……。
誰にも言えない、生き残ったことの罪悪感、自己嫌悪、葛藤、矛盾――数々の痛みを乗り越え、自らの力で人生を取り戻そうとする少女の成長を、瑞々しく描いた感動作!
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