ギルドの新人教育係(自称)
日々の酒代を稼ぎながら、ギルドの酒場に入り浸る冒険者カーマセン。
彼の日課は、ギルドを訪れる新人冒険者に因縁をつけては絡んでいくこと。
時には痛い目を見ることもあるけれど、それでもカーマセンは絡み続ける。
幾度となく繰り返されるその光景に、ある者は顔を顰め、ある者は嘲笑い、そして彼女達は困ったように微笑を向ける――カーマセンの秘めた想いを知っているから。
勇者にただ付き従うプリースト、力の調整ができない魔法使い、かつての友の弟子、行く当てのない召喚勇者……カーマセンとの出会いは彼らを成長させ、そして彼らの旅立ちをカーマセンは見送るのだ。
いつもと変わらず、ギルドの酒場でグラスを揺らしながら……。
くたびれたその背中が語るのは、老いの悲哀か、男の生き様か。
彼の生きた証をここに記そう。
「小説家になろう」で話題を呼んだ哀愁と信愛の人間ドラマ、ついに書籍化――。
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