十四歳のとき母を亡くした誓史(ちかし)は、弁護士の佐伯に引き取られ、一緒に暮らしている。<br />優しい佐伯は、誓史の母が亡くなる間際、籍を入れるだけの結婚をして、行き場を失った誓史を迎えてくれたのだ。<br />以来、誓史は佐伯への想いを隠して、偽りに満ちた家族ごっこを四年間続けてきたが、それはあるきっかけから綻びを見せ……!? 表題作を含む三篇に、新たに書き下ろし二篇を加えた月村奎の人気作、ついに待望の文庫化!!