せつなげに遠くを見ていた少年。<br />何かを言ってやりたくて、ついに伝える事ができなかった。<br />思い起こせばそれが魚彦(なひこ)の初恋だったかも知れない。<br />大学三年になった今、再会した彼・貴史(たかし)は、不眠に苦しみ魚彦のもとでなら眠れると、夜ごと訪れる。<br />おかげで反対に魚彦の眠れない日が続いていたのだが……。<br />