あたたかい食事と快適な部屋、欲しいと思う前に与えられる服や本。<br />すべてが完璧に整えられた箱庭、それが雪加の住む世界だ。<br />偽りの平穏の中、見えない男の存在に頭がおかしくなりそうで、ある日雪加は逃げ出した。<br />だが自由を求めて海に入った雪加の肩を掴む手があった。<br />斑目帷、雪加の支配者。<br />彼は凄絶な美貌を歪ませ、こう告げた――逃げなければ追わなかったのに。<br />執着と恋着がおりなす幼馴染み同士の絶愛。<br />