家出した妻の実家であるパン屋と連れ子の双子を抱え、太一は二十四歳にして人生投げやり気味だ。<br />そこへ店舗の買い手として現れたのが、高校の同級生・長谷部。<br />太一が売ることを渋ると、彼はパン職人として店でバイトさせてほしいと言う。<br />忘れたい記憶につながる男と関わりたくはなかったが、いきいきとパンを作る長谷部はやがて太一の日常になくてはならない存在へと変わり……? 日常と恋を優しく描く、月村奎の原点。<br />