能楽・保月流宗家の長子に生まれながら若宗家である異母弟に虐げられていた佳依は、パリ万博での公演準備中、崩れた舞台の下敷きになりかけたところを謎めいた美貌の男性に助けられる。<br />伯爵と呼ばれるその人は、佳依の大好きな絵本に登場する神様に似ていた。<br />死者が最後の一夜を過ごす遊園地で、たったひとり長いときを生きる死神に――。<br />絵本と同じ遊園地に導かれた佳依は、夜ごと伯爵との逢瀬を重ねるうち……?