欣求 小町井戸
本書は、「欣求」「小町井戸」の2編の小説と、バタイユ私論から成る。
『欣求』 それは、警察では「風俗嬢とやくざの痴情の縺れ」から起きた、ありきたりな殺人事件とされた。
金と暴力を吸い上げる「街」で、亡きひとりの女をめぐる二人の男の宿命の対決。
1960年代の日活アクション映画に刺激された、どこかジョルジュ・バタイユの香りを纏ったハードボイルド作品。
『小町井戸』 平安時代の歌人小野小町の伝説が今も残る東京都町田市の「小町井戸」。
ここで道に迷い、そして時代にも迷い込んだひとりの男が見たものは……。
封印した記憶が呼び覚まされる妖しく残酷な物語。
『闇の中のEros』 バタイユの著作『エロティシズム』は迂闊に近づくと危険だ。
そこには「甘い香り」など皆無で、有るのは死に向かうエネルギーとしての暴力であり、拒絶された愛に対する強烈なノスタルジーである。
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