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宝石吐きのおんなのこ

――どうしてか、その瞬間。
彼女の未来が幸福だけで彩られていてほしいと、切に願った。
大陸東部の穏やかな街、リアフィアット市。
そんな街の片隅に、店員二名の小さな宝石店があった。
――『スプートニク宝石店(ジュエリー・スプートニク)』。
ヴィーアルトン市を訪れている「宝石を吐き出す」少女クリューは、体験学校のさなか体調を崩してしまい、宝石商会会長クルーロルの屋敷で休んでいた。
その折、クルーロルから彼女の雇い主に関する耳を疑う話を告げられる。
魔法使いソアランは地下の牢獄にて過去へと思いを馳せていた。
しかし、そんな彼のもとに不可解な伝言が届いており……。
見知らぬ土地へと飛ばされた宝石店店主スプートニクは、偶然にも警察官ナツと出会う。
彼女と行動を共にするにつれ、スプートニクにはある一つの疑念が芽生え始めていた。
そしてそれぞれの事情は、一人の魔法使いへと繋がっていく。
宝石に愛された少女の、甘くて淡い、ファンタジーノベル。
紡がれる運命の新章第三幕、開演。




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