高校の同級生の智昭と十二年ぶりに再会した。<br />私は医師に、智昭はエリートサラリーマンになっていた。<br />何度かのデートの後、意気投合して同棲がスタート。<br />コロナ禍の中、幸せな生活が一年程続いた。<br />しかし、ある日を境に、智昭は口をきいてくれなくなった。<br />代わりに、私が何か言うと音楽を流すようになった。<br />すれ違いの毎日。<br />そんな智昭に耐えきれず、遂に私は別れを切り出した。<br />智昭の三十二歳の誕生日の前日の事だ。<br />