ザッ ザッ なにか、音が聞こえる。<br />これは──。<br /> 寝よう。<br />そうすれば、きっと熱が下がって、朝がくる。<br />──そう思って、頭を枕につけた。<br />そのとき、意外なものが視界に入ってきた。<br /> マネキンの足だ。<br /> 目の前に現れたものに私は身動きができず、声も出なかった。<br />