赤い月はもう見ない きみと過ごした二十年、そこから五年
阪神大震災のとき少女だったわたし日菜。
父と愛犬エリは震災の犠牲になり、前を向けないままの人生を10歳下の弟幸多がいつも手を繋いで歩いてくれる。
弟と、それぞれ傷を抱えながらも優しい職場の人に囲まれようやく見つけた自分の居場所。
しかし、ほどなく訪れる二度目の別れ。
目の前の火事、目の前で失われてゆくかけがえのない命、味わったことのない揺れ――傷を抱えて立ち直れない人々の哀しみと、それでも前に進まなければならない現実。
家族と愛する犬を喪った人々が集まる場所での優しい奇跡と別れを描く
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