この国はユートピアか、究極のディストピアか。<br />北海道新聞文学賞受賞作家が、閉塞を深める今の世に問う渾身の長篇小説。<br />清潔にとりすました社会が隠蔽する限りない闇。<br />汚れた仕事を押しつけられ周縁に排除される人々。<br />近未来のこの国は私たちの国の合わせ鏡である。<br />「至福の死」に抗う老人・結城紘一郎は、脳内空間の向こうになにを求めたのか……。<br />