高校を卒業して二年が経った。<br />ブラスバンドのメンバーとして楽しかった日々を忘れられず、菜月は置いてきぼりにされたような気持ちでいた。<br />そんなある日、メンバーのうちの二人が結婚することが決まった。<br />「余興に演奏しよう」菜月に声をかけたのは、密かに想いを寄せていた聡也だった。<br />