カウントダウンは夕方6時
聖美は経理課で働いている。
昼休みになると、いつも一人で弁当を食べていた。
ある日、聖美の弁当をのぞき込んだ九堂が言った。
「おいしそうだね。
俺も食べてみたい」同じ経理課の九堂は大手の会社から転職してきた。
聖美より十歳年上。
落ち着いた雰囲気を漂わせ、女性社員から注目を浴びている。
さらに、九堂は聖美に聞いた。
「よく窓の外を見てるけど、何か理由はあるの」聖美には、夕方になるとそわそわする癖があった。
暗くなる前に帰らなければ、と。
九堂に指摘されて、聖美は当惑した。
誰にも知られたくないことだったから。
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