ホラー作家の道尾は、取材のために滋賀県山中にある仏像の工房・瑞祥房を訪ねる。<br />彼がその夜見たものは、口を開けて笑う千手観音と、闇の中で血を流す仏像。<br />しかも翌日には仏師が一人消えていた。<br />道尾は、霊現象探求家の真備、真備の助手・凛の三人で、瑞祥房を再訪し、その謎を探る。<br />工房の誰もが口を閉ざす、二十年前の事件とはいったい? 愛ゆえの哀しき結末とは――。<br />