「おれはちがう。<br />おれは朴正煕の屍におれの名前を刻み込んでやる。<br />それだけだ」――在日朝鮮人の宋義哲は自らを奮い立たせるように言い放った。<br />一九七四年夏。<br />二三歳のテロリストは大統領を標的に、韓国、北朝鮮、日本、アメリカの政治謀略が渦巻く闇の底へと疾走していく。<br />宋義哲の愛と魂は救われるのか? かつてない衝撃のアジア・ノワール!