借金の返済を迫られて殺人を犯した男を匿う黒木。<br />中学校の資料室で教師から猥褻行為を受けていた事件を回想する由美子。<br />そして義弟の死の周辺を克明に描き、まさに掉尾を飾る「最後の資料」。<br />罪の意識はこれほどまでに人間を洗練させるのか? そして用意された罰は時として人を輝かせる。<br />法の裁きではない。<br />殺人、放火、売春、のぞき、強制猥褻……極めて個人的で強烈な9つの罪と罰を収めた傑作短編集。<br />