「わたしは人殺しだ。<br />五歳のときに母を、十一歳のときに姉を殺した」。<br />罪の意識を独り抱えたまま三十一回目の誕生日を迎えた倉田諒子。<br />彼女を祝福してくれるのは、夜毎イタズラ電話をかけてくるストーカーだけだ。<br />ぬくもりを求める気持ちから、家出少女を泊めてしまった諒子は、新たな殺人の連鎖に搦め捕られていく。<br />哀切極まる傑作犯罪小説。<br />