二十四歳の志織は、高校時代思いを寄せていた夏彦と六年振りに再会し、変わっていない彼を眩しく思う。<br />そしてあの頃を懐かしむ「大人」になってしまった自分に気づき、胸の痛みを感じた。<br />久しぶりに再会した高校の仲間たちも、現実に傷つき、迷っていた――。<br />青春の輝きを見失いかけた「大人たち」の焦燥と不安、そして新たな旅立ちを描く青春小説の傑作。<br />