誰もが認める美貌の持ち主、桂木涼子。<br />名門進学高校に通い、一流大学医学部合格の太鼓判を押されていた。<br />そんな彼女がある日、‘悪魔の実験’を始める。<br />それは母・祥子に気づかれぬよう、劇薬タリウムを飲ませることだった。<br />盛られるタリウムは刻々と致死量に近づき、祥子の体は激烈に蝕まれていく……。<br />涼子の狂気は、なぜ最愛の母親に向かわねばならなかったのか? 文壇の鬼才が現代人の心の闇を描ききったミステリーの新機軸!