東京で働く咲子は、故郷の徳島で一人暮らす母が末期癌で数ヶ月の命と告知される。<br />徳島に滞在し、母を看取ろうと決心した矢先、咲子は母が自分に黙って「献体」を申し込んでいたことを知る。<br />それはなぜなのか? やがて咲子は、まだ会ったことのない父の存在と、母の想いに辿り着く――。<br />毅然と生きてきた女性の切なく苦しい愛が胸をうつ長篇小説。<br />