私はたとえ眠っていても、それでも恋人の電話だけはわかる――。<br />客と「添い寝」をする仕事をしていた親友のしおり。<br />彼女が死んでから二ヶ月、寺子はなぜか眠くて仕方のない日々を送っていた。<br />人生に訪れる停滞した時、そして始まり。<br />許されぬ恋のせつなさ、一途な愛が起こした奇跡を描く「白河夜船」他、「夜と夜の旅人」「ある体験」の’眠り三部作’。<br />