江戸へ下ると決めた上方の人気戯作者・並木五兵衛。<br />道具方の彦三は、五兵衛から「一足先に行って様子を報せてほしい」と頼まれる。<br />江戸へ向かい、蔦屋重三郎のもとに身を寄せる彦三。<br />まず彦三に己を描かせた蔦屋は、顔の癖を容赦なくとらえた絵に息を呑む。<br />これは……!彦三の絵を大きく仕掛ける肚を決めた蔦屋。<br />一方、彦三からろくな報せのないまま江戸へ向かった五兵衛には、思わぬ挫折が待っていた――。<br />