「わたし……売られてきたんです」。<br />糸針屋ふじ屋の前で倒れていた若い女・お夕は泣きながら、逃げてきたことを告げた。<br />聞けば、親の借金返済のため吉原に売り飛ばされたのだという。<br />しかも、故郷には将来を誓った男が。<br />千早と夏は、浪人・小川金三郎と共に彼女を救うことを決意。<br />だが、お夕を探す女衒の執念がどこまでも一行を追いつめる――。<br />