人は人を愛する時、いつもどこかで本当の自分、飾り気のない自分をさらけ出してしまうのだろう。<br />相手に見せたい自分、こんなふうに見てもらいたいと願う自分は、実は常に、中身のない、実体のない、ただの脱け殻にすぎないのだ――。<br />愛の始まりから失恋、絶望、再生までを描く小池文学の決定版、本格恋愛小説。<br />