ルポライターの私は、取材のために全国を訪ね歩いていた。<br />どこへも辿り着かない通勤用の観覧車、ただひたすらに玉を磨く伝統産業、すでに海底に沈んだ町の商店街組合……。<br />そこで私が出会ったのは、忘れ去られる運命にあるものを、次に受け継ぐために生きる人々だった。<br />今、この瞬間にも、日常から消えつつある風景を描いた、6つの記憶の物語。<br />