墨の香
女子とて、芸を極めてならんことはない。
出もどりの女流書家の凛とした筆が、硯と墨が溶け合うように、弟子たちの心をほぐしていく。
師弟の絆が胸に響く、「書道」歴史小説!老中・水野忠邦が綱紀粛正に乗り出した江戸時代後期。
突然、理由もなく嫁ぎ先から離縁された女流書家の岡島雪江は、心機一転、筆法指南所(書道教室)を始める。
しかし、大酒飲みの師匠・巻菱湖や、かまびすしい弟子の武家娘たち、さらに奥右筆を務める美形の弟・新之丞に振り回される日々。
そんなある日、元夫の森高章一郎が「ある事件」に巻き込まれたことを知り――。
江戸時代に生きる「書家」とその師弟愛を描いた、人気時代作家の新境地!
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