浪人者の多田文治郎は江ノ島・鎌倉見物のあと足を伸ばした米ヶ浜で、浦賀奉行所与力を務める学友の宮本甚五左衛門に出会い、対岸の猿島で起きた殺しの検分に同道してほしいと頼まれる。<br />甚五左衛門が「面妖な事件」と評したことに興味をそそられ、承諾した文治郎。<br />酸鼻を極める現場で彼が見たものとはいったい……? 驚天動地の時代ミステリ!