たとえ世界中が敵にまわっても、僕だけは味方だ。<br />公衆浴場で赤ん坊を預かるのが仕事の小母さん、死んだ息子と劇場で再会した母親、敬愛する作家の本を方々に置いて歩く受付嬢、ひ孫とスパイ大作戦を立てる曽祖父――。<br />不器用で愛おしい人々の、ひたむきな歩みが深く胸をうつ。<br />あなただけの〈友〉が必ず見つかる。<br />静謐で美しい傑作短編集!