北の小さな島で、代々娘一人を産み継ぐ祈祷の家系に育った熊金一子は、神と畏れられる祖母と「血」から逃れるため島を出る。<br />やがて大人になり、男の子の母親になることを願う一子が産んだのは――やはり女だった。<br />明生と名付け息子のように育て愛そうとするが、ある日明生が失踪。<br />一子は「バチが当たった」と怯えていた。<br />母娘の愛を問うミステリ。<br />