幽霊たち
見えない復讐と、さらなる復讐。
しなくていい殺人の果てしない果て。
40年前、資産家・岩楯一族を崩壊した秘密と嘘と誤解が、今、再び血の惨劇を引き起こす! 西澤保彦、超絶のミステリ。
アルコールの過剰摂取で入院中の作家・横江のもとを刑事が訪ねてきて「加形野歩佳【ルビ:かなたのぶよし】(33)を知っているか?」と訊く。
加形野歩佳は多治見康祐【ルビ:たじみこうすけ】(57)を殺害し、早々に自首したという。
殺された多治見は横江の元同級生で、加形は横江の親戚の息子だった。
加形は、自首はしたが動機を語らず、ただ「理由を知りたければ横江継実に聞いてくれる」と語っているという。
横江は加形のことは面識も存在も知らなかったが、加形の父や多治見と過ごした40年前、幾つもの血族の婚姻関係が重層する岩楯一族と暮らした子ども時代を思い出すと、幽霊のように記憶の残影が立ち現れるのだった。
それらは往時には気づかなった、惨劇の印がいたるところに残されていた……。
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