主婦の小浜芳美は、新宿でかつての同級生、一柳貴和子に再会する。<br />中学生時代、憧れの男子を奪われた芳美だったが、今は不幸そうな彼女を前に自分の勝利を噛み締めずにはいられない。<br />しかし――。<br />二十年後、ふと盗み見た夫の携帯に貴和子の写真が……。<br />「全部私にちょうだいよ」。<br />あの頃、そう言った女の顔が蘇り、芳美は恐怖と怒りに震える。<br />