作家の人たち
「押し売り作家」しつこい持ち込みで、大手出版社の文芸編集者たちを辟易させている「倉ナントカ」という、冴えない中堅のミステリ作家。
果たして、彼の正体は――?「夢の印税生活」「くれぐれも会社は辞めないように」。
苦節十年、念願の新人賞を受賞した川獺はそう編集者に忠告されたが、「背水の陣」とあっさり会社を辞めてしまう。
1年目の収入は846万円あまりだったが……。
「持ち込み歓迎」大々的に持ち込み原稿募集のキャンペーンを張った地球出版。
直接面談方式をとったのだが、24歳のフリーターから70過ぎの老人まで、誰も原稿を持たず、頭の中の‘物語’を語り始め……。
「悪魔のささやき」「明日の〆切を延ばしてほしい」(ベテラン作家)。
「書評家に誉められたい」(中堅エンタメ作家)。
「超売れっ子の原稿がもっとほしい」(中間小説誌の編集者)。
悪魔は願いを叶えてくれたが……。
「らのべっ!」隆盛を誇るライトノベル界でヒット連発の雷神文庫副編集長・祐天寺。
矢継ぎ早にパッショネイトにスマートに流麗に仕事をこなす、彼のような編集者に業界は支えられているのだ。
「文学賞選考会」築地の老舗料亭‘泥田坊’で行われている植木賞選考会。
‘大家’と‘売れっ子’揃いの5人の選考委員による選考は白熱した。
2作に絞られたのは、文學春秒社と赤潮社の本。
栄冠はどちらに……。
「遺作」俺の本は売れない。
もうどうにもならない。
絶望し、飛び降り自殺を図った作家の身体が落下の途中、なぜか宙に止まった。
彼の脳裏にみじめな人生が蘇った後、素晴らしい‘新作’のプロットが浮かんだが……。
更新中です。しばらくお待ちください。