笑子が神戸で被災した日、母親は若い親戚の男・兵吾と寝ていた。<br />男に狂った母、知らぬ顔の父、引きこもりの兄、職を失った自分――。<br />悲惨な現実から逃げるように、笑子は結婚し東京へ。<br />しかし子供ができず、家庭にも確かな居場所を作れない。<br />そんな中、兵吾と再会。<br />日常に背を向けて情交に溺れてゆく二人を3・11の激震が襲う。<br />生き場なき女の物語。<br />