はじめてできた恋人と幸せな日々を送っていた江木雅史に、上司殺しの疑惑がかかる。<br />前日、殺された上司との諍いを周囲が目撃していたからだ。<br />無実を主張しても状況証拠からの疑惑は晴れず、目撃証言が決定打となり、懲役6年の刑に服する。<br />出所後、家族も恋人も失ったことを知った江木は、絶望の末に復讐を誓う。<br />狙うのは、真実を見誤った者たちだ。<br />終わらない不幸の連鎖、果てしない人間の業に胸をえぐられながらも、読む手が止まらない。<br />新潮文庫版を電子書籍化。<br />