「大事にしてやらなくちゃ、赤ん坊は。<br />いくら用心したって、しすぎることはない」。<br />公衆浴場の脱衣場ではたらく小母さんは、身なりに構わず、おまけに不愛想。<br />けれど他の誰にも真似できない多彩な口笛で、赤ん坊には愛された――。<br />表題作をはじめ、偏愛と孤独を友とし生きる人々を描く。<br />一筋の歩みがもたらす奇跡と恩寵が胸を打つ、全8話。<br />