真夜中のカーボーイ
「好きに死なせてほしいのよ」高3の約束を果たすために、57歳の女と男は赤いメルセデスのカブリオレに乗り込んだ。
デビット・ボウイを歌いながら「最高の死」の瞬間(とき)を求める道行きがついに始まるーー。
目的地は1976年の夏と同じく南紀白浜。
違うのは、元カノのデコが癌で死にそうなことだった。
「死ぬ前に、きっちり落とし前つけときたいの」アパレル会社経営の富豪の女と、出版社勤務の冴えない男が始めた心の旅ーー。
カルトメジャーの雄が新しい幸福の姿を描き切った、書き下ろし小説。
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