文学賞のパーティーで、大手出版社四社の編集者が暗い顔で集っている。<br />皆、ある中堅作家につきまとわれて困っているのだ(「押し売り作家」)。<br />苦節十年、やっと小説の新人賞を受賞しデビューした川獺雲助は会社を辞めて作家に専念することにした。<br />しばらくは順調だったが……(「夢の印税生活」)。<br />ほか、出版稼業の悲喜交々を描く連作小説。<br />