鋳掛屋の巳之助は恩人の娘である常磐津の菊文字の家を出ると、浪人の死体に出くわす。<br />傍らには莨入れ、持ち主は商家を勘当された若旦那の太吉郎。<br />菊文字と恋仲だった男だ。<br />巳之助は菊文字のために太吉郎を匿い、かつての盟友の浪人と手を組み、殺しの真相を探るのだが……。<br />別れたくなくても、そうせざるを得なかった二人に感涙必至の時代小説。<br />