「お花という女がおりましてねえ」。<br />渡世人として苛烈に生きてきた牛頭の五郎蔵。<br />彼には人生に思い残したことがあるという。<br />若い頃、一緒に料理屋を開く夢を抱き、献立を考えては笑い合った想い人。<br />晩年を迎えた今、その女がどうしているかが気になると遠慮がちに語った。<br />意を汲んで調べ始めたお夏。<br />だが、その女は――。<br />新シリーズ、感涙の第三弾。<br />