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詩集 ソナタ/ソナチネ Sonata/Sonatine

詩人石村利勝は、「詩」を中原中也に奪はれたところから出発してゐる。
これは比喩でもなければ、臆断でもない。
(文藝評論家・小川榮太郎)孤高の詩魂――四半世紀に及ぶ雌伏の時を経て放つ、渾身の第一詩集。
石村利勝の詩に解説や解釈はいらない。
繰り返し眺め、聲にして読み親しみ、じつくり一字一句を辿りながら心中に湧くイメージを追ふ、それだけでいいのである。
『ほんとうの詩とはなにか、そして何故そんなものがこの世に在るのか』と問ひ続けた、このモラリストは、感情の氾濫を求めもせず、詩に観念や思弁を持込みもせず、時代から遠く離れて、手仕事を重ねたのだつた。
石村の詩の軽やかさ、煌びやかさに近づかうと注意深く読み味はふ時、私をいつも驚かせるのは、その平凡な事実である。
音韻を探り当て、色彩と色彩を重ね、五感が互ひに共鳴し合ふ為に、この人が重ねた手仕事の、かすかに作品の底流に残る跡である。
(解説より抜粋)




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