北森下町にある長屋を仕切るお美羽は器量はいいが、言い寄る男を川に放り込み、店賃の払いが悪い家の障子を叩き割るほど気が強い。<br />そのせいか二十一歳で独り身だ。<br />ある春、火事が続き、長屋や呉服屋でもボヤが出た。<br />呉服屋の若旦那は、役者にしたいほど整った顔立ち。<br />彼に惹かれたお美羽は火事の真相を探るのだが......。<br />切なすぎる時代ミステリー!