会社を辞めた季実は、本郷で下宿を営む祖母の家に転がり込んだ。<br />無気力状態の季実に、「出張料理」の手伝いを頼んできたのは、同居人の桃子さん。<br />鶏肉の旨味を吸い込んだ馬鈴薯のスープ、口の中でほろっと崩れる鮭と大葉のおむすび、甘い空豆のフリット。<br />依頼人達の疲れた心とお腹を満たすうち季実にも変化が訪れて... ...。<br />人情溢れる料理小説。<br />