1990年の春、寂れた地方都市の片隅で鬱屈した日々を送る少女、永田香名子。<br />そんな彼女が出会ったのは、ハヤタと名乗る犬耳の家政夫だった。<br />奇妙な同居生活のなかで二人は否応なく魅かれあっていくが、彼と右手に融合している〈銃〉の罪を贖う〈情緒回復計画〉が達成された時、ハヤタは残酷な刑へ処せられる運命にあった――。<br />異星の罪人とともに、1990年から2012年までの荒涼たる世界を生きた、ひとりの女性の物語。<br />