シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱
2012年、オリンピック開催に沸くロンドン。
アフガン帰りの軍医ジョー・ワトソンは、早々に除隊したものの、物価の高さと仕事のなさに鬱々としていた。
このままでは路頭に迷ってしまう。
そんな折、友人ミカーラからフラットシェアをすすめられた。
シェアの相手はシャーリー・ホームズ。
ちょっと変わった女性だという。
だが、実際に会ったシャーリーは、ちょっとどころではなく変わっていた。
乗馬服に身を包んだ清楚な美貌、人工心臓を抱えた薬漬けの身体、初対面で経歴を言い当てる鋭い観察眼、死体置き場で寝起きする図太い神経。
なにより驚いたのは、彼女が頭脳と電脳を駆使して英国の危機に立ち向かう、世界唯一の顧問探偵であることだった。
ベイカー街221bで同居を始めてまもなく、ヤードの女刑事グロリア・レストレードが訪ねてきた。
死体がピンク色に染まる中毒死が続発しているらしい。
いまだ無職のジョーはシャーリーに連れられて調査に赴く。
それは二人がコンビを組む、初めての事件だった。
表題作に短篇「シャーリー・ホームズとディオゲネスクラブ」を加えた、目覚ましい独創性と原作への愛に溢れた、女性化現代版ホームズ・パスティーシュ登場!
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