友人グロリアの自殺をきっかけにして、作家ホースラヴァー・ファットの日常は狂い始める。<br />麻薬におぼれ、孤独に落ち込むファットは、ピンク色の光線を脳内に照射され、ある重要な情報を知った。<br />それを神の啓示と捉えた彼は、日誌に記録し友人らと神学談義に耽るようになる。<br />さらに自らの妄想と一致する謎めいた映画『ヴァリス』に出会ったファットは……。<br />ディック自身の神秘体験をもとに書かれた最大の問題作。<br />/掲出の書影は底本のものです