パリ郊外の古塔で奇妙な事件が起きた。<br />だれもいないはずの塔の頂で、土地の富豪が刺殺死体で発見されたのだ。<br />警察は自殺と断定したが、世間は吸血鬼の仕業と噂した。<br />数年後、ロンドンで当の事件を調査していた歴史学者の妹が何者かに襲われ、瀕死の状態に陥った。<br />なにかが‘囁く’と呟きながら。<br />霧の街に跳梁するのは血に飢えた吸血鬼か、狡猾な殺人鬼か?吸血鬼伝説と不可能犯罪が織りなす巨匠得意の怪奇譚。<br />改訳決定版。<br />