IT企業ジェイ・プロトコルの中井優一は、東南アジアを中心に交通系ICカードの販売に携わっていた。<br />同僚の伴浩輔とともにバンコクでの商談を成功させた優一は、澳門の娼婦から予言めいた言葉を告げられる――「あなたは、王として旅を続けなくてはならない」。<br />やがて香港法人の代表取締役として出向を命ぜられた優一だったが、そこには底知れぬ陥穽が待ち受けていた。<br />異色の犯罪小説にして恋愛小説。<br />